頼りなくても葉を広げてみれば
友人が遠方に引っ越すことになり、モンステラを譲り受けました。
友人の家がたいそう居心地が良かったであろうことが一目でわかる大きさ。
私が両腕を広げても届かないくらいに葉を伸ばしています。
引き取りに行った軽自動車の車内はジャングルです。
なんとか自宅まで運び、日当たりがよく、長い時間一緒に過ごせるようリビングに置きました。
うれしい反面、モンステラを育てたことがないわたしは、これまで友人が愛情を注いできた愛娘?愛息子?を育て続けることができるのか、とても不安でした。
調べると毎日霧吹きで葉水をした方が良いとのこと。
小学生の娘が霧吹きを面白がって、葉水をやりたいというので、葉水は娘の日課となりました。
すると、一週間もしないうちに、モンステラは新しい葉をスルッと2枚出したのです。
クルクルと固く丸まった葉は尖がったロケットのようでしたが、茎をまっすぐ上に伸ばし、蝶が羽化するときのように、みずみずしい艶のある葉をゆっくりと広げていきます。
最初は触れると破れそうなほどに薄く頼りなかった葉は、時間が経つごとに緑が濃くなり、しっかりとした厚みを持っていきました。
当初のわたしの心配をよそに、今では我が家の誰よりも背が高く、たくましい姿に。
すっかりリビングの主となっています。
慣れない場所でも、えいや!と葉を伸ばしてみる。
思えば、これまでの私の人生も、「やったことがないけどやってみよう!」と踏み出した道が、結果的にとても楽しかったり、自分に向いていたことが多いです。
やったことがないことには、どうせこれまでの経験値はあまり使い物になりません。
それならば、やる前に悩んでも仕方がない、まずやってみてから悩んでもいいのではないでしょうか。
若いとは言えなくなってきた近頃は、「やったことないからやってみたい!」とさらに気持ちが前を向くようになりました。
新しいことを始める時のみずみずしい緊張感は、年齢を重ねた頃のほうが楽しめるのかもしれません。
今朝もモンステラの茎に真新しい葉の息吹を発見し、思うのです。
「さあ今日は何を始めようか」
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