Puntoeコラム


2016.02.10
text by Natsuki Matsumoto

ブラジャー開発秘話


ブラジャー開発秘話




ブラジャーについて



みなさま、いつもブラジャーを着けていますか?

わたしは外に出かける時は着けるけれど、最近はノンワイヤーのソフトなタイプばかりです。アトリエや自宅ではなにも着けないこともしばしば・・・。
まわりの人に聞いても、以前よりワイヤーでかっちり補正タイプの利用者は減ってきているような気がします。

何も着けていないと、守られているものがまったくない感じで不安だし、ノーブラと分かるのは外国人じゃないし恥ずかしい・・・。
一応でもブラジャーをするのは、着けないと仕事のスイッチが入らないというのもあるかもしれません。

あと、ブラジャーは女性ならではのアイテムだし、カップがふたつあって、後ろにストラップがあるという形自体がセクシーでかわいい、というのもあって、まったくナシではつまらないと感じています。





苦しいのはいや



ブラジャー開発秘話


よく思い出してみるとブラジャーをつけるのは当たり前、と思って育ってきたように思います。 着けないとバストが崩れる、といった説もあって、最近までがっちりしたブラジャーをすることに抵抗はありませんでした。

からだにぴったりのブラジャーを選べば窮屈ではないといわれ、長い間セミオーダーでつくる自分サイズのものを使用していたけれど、固いところに柔らかいものを押し込み補正するという根本はどれも同じだし、苦しいのはしょうがないものとあきらめていました。

でも、大人になってヨガをはじめたり、自然な食事をとり、からだが気持ちよさを求めていることを知ったことで、気がついたら手持ちの下着の中でもゆるめのものばかりを愛用するようになっていきました。





開発秘話



ブラジャー開発秘話


プントゥのブラジャーを制作するにあたって、まず考えたのは従来と同じ構造では、私がイメージした理想のブラジャーは作れないということ。
そして、いつでも考えている“かわいい”ということ。化学繊維のブラストラップが、肌にピチっとはりつく感覚も、プントゥのブラジャーでは改革したい点でした。

手探りでのいちからのブラジャーづくり。軽い着け心地だけど、ブカブカとあてがっているだけではなく、胸をしっかりと包み込むように。また肌に当たるところはすべて天然繊維にしたいというこだわりもありました。

まず、はじめたのはアイディア出しのスケッチ。とにかくたくさん書き、よさそうなものはパターンをおこして、実際に作る!その繰り返しでした。
シルクとオーガニックコットンでできたカップを、ブカブカせずに包み込むような着用感にするために、外側のカップから上に向かって引っ張り、内側によせていくという構造を考えたときに、「これしかない!」と思いました。





そこからが長い道のり



構造的なことが決まり、細かいところを詰めていく段階が8ヶ月程かかりました。
ブラジャーはサイズ展開が必要なため、いろいろな人にモニタリングをお願いしました。胸の高さや大きさも形もやわらかさも、みんな個性があってバストって本当に千差万別だと実感。

カップの大きさや形、付け方、アンダーにどれぐらいゴムをとるかなど、素材や形も通常のブラジャーと違うので、サンプルを縫ってみないと予想がつかず、つくっては試着をしてもらうのを繰り返す、時間のかかる作業でした。

ブラジャー開発中とお知らせもしていたので、お客様からたくさんの問い合わせやメールもいただき、とっても励まされました。本当にいつもありがとうございます。





完成!



ブラジャー開発秘話


そんなこんなでついにブラジャーが完成しました!
実際に試着できる展示会も開き、あとは発売を待つ段階までなんとかたどり着けました。

実際完成したブラジャーを身につけてみると、ショーツと同じく、他のブラジャーはもう着けられません!と自負できます。
単にゆるいというのではなく、バストが「ほっこりと包まれている」という感覚です。
締め付けがないのはもちろん、見た目もかわいくて、ショーツとコーディネートできて、なにより軽い!シルクの柔らかさのおかげか、通気性がよいからなのか、ふにゃっと柔らかくいられる軽さを一番に感じます。

もうひとつ、フロントホックをとめてリボンを結ぶという動作が、一日のはじまりのちょっとした儀式のようで、「さあ、今日もがんばりましょうか!という気持ちになるのもうれしい点でした。

従来のブラジャーが苦しい、なんとなくしっくりこない。帰宅後にすぐにブラジャーをはずしてしまう。そんな方にぜひ、一度プントゥのブラジャーを身につけてもらいたい。からだだけでなく、こころもきっと軽くなってもらえると思います。






このコラムは「my big cat letter vol.4」(2015年4月発行)に掲載した文章を一部、加筆・修正したものです。




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